2.なぜ、麻原彰晃(オウム真理教)に魅力があるのか?



 この「なぜ」について答えを出す前に、先に書いた安藤優子の話(問い)を参照していただきたい。

 実はテレビは、このなぜっていうのをもう既に1995年の段階でテレビの番組の中でやってるんですよね。なのに、なぜ、現在(いま)、そのような論争が出るのかなあ・・・?

 がむかし録画したビデオのチェックをしている時に、偶然みつけた貴重だと思われる番組があった。それは、1995年5月10日午後19:00からしていたフジテレビの報道特番で、『FNN 緊急報道スペシャル』と銘打ったオウム報道の特番であった。この特番は急きょ予定してた番組を返上してやってたらしく、このビデオには30分間しかとれてなかったけど内容的には、


「新宿青酸ソーダ事件」〜目撃証言が語る犯人像・オウムとの接点〜

「独占手記・オウムにすべてを奪われた」〜オウムの素顔を紹介〜

「教団崩壊」〜“洗脳”信者の危険な結末〜


 ・・・などいう大変興味深い内容をやってたわけなのですが、その30分間しか録画されてなかったビデオには、当時のオウム真理教西信徒庁長官の都沢和子の指名手配のことを上佑史裕との関係とかワイドショーのように(ワイドショーか・・・)やっていて、次に「新宿青酸ソーダ事件」をやってたのですが、どんなことをやってたのかというと、この事件の犯人に結びつく不信人物についての目撃証言を入手したと。で、その人物は逃走幹部の手配写真に酷似していたと前ふりしてこのような証言を放送していた。



 5月5日、目撃者のAさんは犯人と思われる2人組を新宿のトイレの中で目撃した。
 Aさんがトイレに入ると隣のトイレの中(大便の方)で2人が話をしていた。
 
 「もれなかったか?」
 「大丈夫です」
 「間違いないのか?」
 「ほんとに大丈夫ずら!」(静岡、山梨県でよく聞かれる方言らしい)

 Aさんは不信に思いながらトイレを出て髪をとかしていら、男がトイレから出てきた。丸坊主の男。するともう一人もトイレから出てきた。手には銀の発泡スチロールの箱を持っていた。

 さんがチラリと見ると2人はそそくさとトイレを後にした。
 目撃者Aは後をつけた(尾行)。
 道路をわたり、柱の影に立って2人を視界にとどめた。

 すると、突然2人が奇異な行動を見せた。
 後ろを指差すかのような動作。両方の親指をつき出し(Goodをやる手のポーズで)後ろに何度も「何かがいる」というのを教えるかのように2人が同時に同じ動作をしていた。ちなみに、その2人は1度も後ろを振り返ってはいない(VTRを見るかぎりではね)。

 Aさんが一瞬あっけにとられた時、後ろから「よう、先輩!」と声をかけられ、振り向くと見知らぬ男が立っており、男は「人違いだ」と謝り、再び2人組をみるAさん。

 しかし、一瞬にして2人組は姿を消していた。後ろから声をかけた男も雑踏に消えていた・・・。




 っという目撃証言。テレビはこれを「実は3人組だったのである!」として、「薬品に詳しく、組織的な反抗、統制のとれたチームワーク」。それをオウムと結びつけていたが、これを読んでみなさんは何を感じられただろうか? 


 後ろを見てもいないのにA氏に気付いていた様子

 で、しかもそのA氏に指で「後ろを見てみな」と教えるかのような動作

 そして3人目の男の登場

 つぎに振り返ると2人組が消え、3人目も消えていた


どう思いますか?
 
それがオウム真理教=麻原彰晃の最大の魅力なのである。オウム真理教に入信したほとんどの信者はこれに魅力を感じたのです。 そうです。

超能力です。
 
 これは、昔はテレビでも報道してたみたいなんですが、最近、2月27日(現在が2004年3月11日 (木) 午後 09時43分)のニュースなどの報道関係の番組ではなかなかこの超能力っていう言葉を聞くことが出来なかった。

なぜだろう?

そのことについては後でふれるが、でも超能力っていう言葉が聞けたのは、僕が見たところ、TBS系の『ニュース23』でそういう言葉が出たけれど、「それが魅力だ!」とは言ってはいなかった。「そのような話題で勧誘する」みたいなことを言ってたに過ぎなかった。しかも、彼らはその超能力という言葉を出すのに、ためらっているようにもみえた。

なぜだろうね(笑)。

 フジテレビも「サリン70tで国家転覆を図ろうとした」とのみ言ってただけで、今まで報道してきたオウム関連番組の膨大な情報を再検討することもなく、今回はじめてオウム事件を知ったかのような安藤優子の言い方。
 安藤優子は1995年5月10日放送の『FNN 緊急報道スペシャル』でも出演してたし、こんなことも冒頭で言っていました。

 安藤「オウム真理教が目指していた野望の帝国とは一体どんなものだったのでしょうか?」

 ・・・。

 その時に超能力のことも出して説明したでしょうに・・・。少なくともその当時、「サリン70tで国家転覆を図ろうとした」とは言ってなかったと思いますよ。もっと核心に触れたことを報道してたと思います。有田芳生もその席にいました。だから彼もオウムと超能力は切っても切れない関係だということを知ってたと思うし、そういう事も言ってたと思いますよ。

 テレビの情報獲得量って他のメディアの追随を許さないと思うんだけど、安藤優子は9年もその仕事に携わっていていろいろ見たり聞いたりしてきただろうに・・・、9年前と同じ論争(問い)を今現在やっているってことは、そうとうバカしらばっくれてるかどっちかなんだろうね。・・・テレビとは本当に空しい存在なんだね。一言でいうと空しいよ。これじゃあ。
 9年間(いやもっと。十数年間だろう)、積み重ねてきた報道という情報量で出た答えが、

「オウムはサリン70tで国家転覆を図ろうとしていた」だけじゃあ、あまりにも空しすぎるぜ。



 麻原彰晃とオウム真理教の魅力とは? 

 その第一に、超能力というものに興味を引かれて入信した者が多い。
 あの空中浮揚の写真の影響はデカい。あの写真を見て衝撃を与えられたオカルトファンは少なくないはず。
 まあ、あれは滝本弁護士が言うには(『ニュース23』で)「合成写真」だと言っているんだが、確かに合成かもしれないけど、でもあの髪がふわっとなっているってことは宙に舞ってるときに出来るんじゃないかと思うんだけど。
 でも、そのまえにUFOとかの合成写真も専門家に見てもらって「合成か?」、「合成じゃないか?」を調べてもらうなりしたほうが、この論争は早いと思う。テレビとかでもUFOの合成写真の見極めを専門家に見てもらってたのを僕は見たことある。ちなみに『ニュース23』では「合成か?」、「合成じゃないか?」を専門家に見せるということを親切にやってくれてませんでした。 
 
 その他、いろいろ人により悩みっていうのがあるけれど、身体的なこととか精神的なこととか。それを解決する為に入っていったというのもあるでしょうね。
 でも、やっぱ超能力が大部分を占めてるとおもいますよ。 


 それでは、安藤優子の問いについて、次は「なぜ信じきってしまったのか?」ということなどを次のページで見ていきたい。

 


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2004/03/11 23:23:30